5分でわかるSTP

一言でいうと

スイッチ同士が円状で構成されていると発生してしまうデータのループを防ぎつつ、冗長化を実現するためのプロトコルです。

役割

LANスイッチは、物理的にループ構成(円状)になっていると、別のLANスイッチに至る経路が複数あるため、ブロードキャストフレームがループしてしまいます。そのため、流す経路を1つに絞ることでループの発生を防ぎつつ、機器に障害が発生しても迂回路で通信できるような冗長化構成を実現するためのプロトコルです。ただし冗長化技術としてのSTPは過去のものとなりつつはあります。

どうやって実現するの

LANスイッチの任意のポートをブロックすることでループ構成からツリー構成への移行を実施します。その際に出てくる用語として以下3つだけ用語出てきます。

  • BDPU(Bridge Protocol Data Unit)
  • ルートブリッジ
  • ブロッキングポート

まずはルートブリッジを決定します。ルートブリッジはツリー構成のルートにあたるスイッチです。ルートブリッジはBDPUというSTP特有のデータに含まれるブリッジIDによって決定します。スイッチ同士はまず互いのBDPUを交換し合います。交換し合った結果、一番ブリッジIDの値が小さいルートがルートブリッジ、2番目に小さいブリッジがセカンダリルートブリッジになります。セカンダリルートブリッジは、ルートブリッジが落ちた時に代わりになるスイッチです。

補足ですが、ブリッジIDはブリッジプライオリティとMACアドレスで構成されていて、実際にはルートブリッジやセカンダリブリッジにしたいスイッチに対して、エンジニアがブリッジプライオリティを静的に小さく設定します。

続いてブロッキングポートを決定します。

ブロッキングポートは、流す経路を1つに絞るために通信を遮断するポートです。ブロッキングポートはルートブリッジからの距離(パスコストと呼ばれます)によって決定します。距離が最も通いポートがブロッキングポートになります。

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